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ネクタイの歴史
「ネクタイはいつ生まれたものか?」「日本にネクタイはいつ入ってきたのか?」など、こちらではネクタイにまつわる歴史をひもといています。
想像以上に長い長い歴史を持つネクタイ。その詳細をこちらでご覧ください。
ルーツは兵馬俑、それともローマ兵士?
ネクタイのルーツをたどっていくと、紀元前221年までさかのぼります。中国、秦の始皇帝の陵墓から発見された7,000体もの膨大な兵馬俑の中に、首に布を巻いたものが何体も発見され、これがネクタイの歴史的物証と見られています。
しかし、中には2世紀初頭にローマ兵士たちが防寒のために首に巻いたウールの布が、事実上のネクタイのルーツと言う声も。「フォーカル」と呼ばれたこの布は、戦地へ向かう兵士の無事を祈って妻や恋人が贈った“お守り”でした。ネクタイのルーツは兵馬俑か?それともローマ兵士か?その謎はいまだベールに包まれています。
流行の火付け役はルイ13世
襟元の装飾品として世界的にネクタイが流行するきっかけを作ったのは、フランスの国王ルイ13世。1635年、ルイ13世がクロアチア兵を傭兵した時、彼らが首に色鮮やかな布を巻いていることに注目した王は、早速、これを宮廷のファッションとして取り入れました。
しかしこの際、王が布について「あれは何か?」と尋ねたにもかかわらず、側近は「クラヴァット(フランス語でクロアチアの意)にござります」と兵の出身地について返答。この、ちぐはぐなやり取りから生まれた名称がフランスではしっかりと根付き、今なお「ネクタイ=クラヴァット(cravate)」と呼ばれているというから、驚きです。
1800年代に「ネクタイ」という呼び名が登場!
「ネクタイ」という言葉が使われ出したのは、おそらく1800年代。ファッションの主流がフランスからイギリスへと移行したころと見られています。
ネクタイはこの頃、ロンドンファッションの軽快さに合わせて、結び方もシンプルなものへ変化しました。この後、クラヴァットの結び目だけを独立させた「蝶ネクタイ」や、アスコット競馬場に集まる紳士たちが発信した「アスコットタイ」などが登場しました。
また、今日「ネクタイ」と呼ばれているものの主流「フォアインハンドタイ」が誕生したのもこのころ。そのシンプルさと結びやすさから、100年以上経った今でもネクタイの主流として親しまれています。
日本におけるネクタイの歴史
世界的には古くから親しまれてきたネクタイですが、日本では1851年、ジョン万次郎が帰国の際、国内に持ち込んだと言われています。
1884年(明治17年)には帽子商、小山梅吉の手により、国産の「蝶ネクタイ」第一号が誕生。大正末期ごろには洋服が一般市民に普及するのに伴い、ネクタイもファッションの一部として取り入れられるようになりました。現在では、ネクタイはメンズファッションに欠かせないアイテムのひとつに。流行により色や形を変えながら、世の男性の首元を飾る大切なアイテムとして重宝されています。
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